WHIM記述子 (1)

WHIM記述子*1は、代表的な三次元記述子のひとつで、
xyz座標軸を主成分軸に線形変換して数値化する、という特徴を持ちます。


具体的には、原子の座標に物理量(原子量、体積、電荷など)で重みづけしつつ
分散共分散行列を計算し、行列の固有値を求めるという主成分分析の手順に沿います。
鎖状グルコースの場合、下のようなイメージです。

分子がひょろ長い形をしている場合、
その長い方向に沿って主成分第1軸(PC1)が定められます。
そして、それに直交する第2軸(PC2)、第3軸(PC3)がそれぞれ計算されます。
WHIM記述子で分子の形を大まかに捉えられることが想像できると思います。


記述子としては、固有値(λ1, λ2, λ3)、主成分スコア(t1, t2, t3)と、
これらから計算される17種類の値を用ゐます。

  • ν1, ν2
  • γ1, γ2, γ3
  • η1, η2, η3
  • WT = λ1 + λ2 + λ3
  • WA = (λ1 x λ2) + (λ1 x λ3) + (λ2 x λ3)
  • WV = WT + WA + (λ1 x λ2 x λ3)
  • WK
  • WG = (γ1 x γ2 xγ3)^(1/3)
  • WD = η1 + η2 + η3


*計算式は、次回のプログラムにて。

*1: Todeschini et al. 3D-modelling and Prediction by WHIM Descriptors. Part 5. Theory Development and Chemical Meaning of WHIM Descriptors. Quant. Struct.-Act. Relat. (1997) 16, 113-119